山陰・鳥取県 日南町。井上靖や松本清張とゆかりの深い<<文学の町>>。日野川源流と高原特有の気候に恵まれた<<特産品の町>>。町の90%が森の<<林業の町>>。
にちなんの森
 
守り・育て・受け継ぐ。
町の面積の90%が森林の日南町。
日南町と森のカンケイって?


戦後、日本では復興のため、木材への需要が高まりました。その結果、広葉樹からなる天然林の代わりに、成長が早く経済的にも価値の高いスギやヒノキなどの針葉樹からなる人工林が日本の山地に植樹されていきました。同時に、木炭や薪から電気や石油への燃料革命が起こったため、燃料に使われていた里山の雑木林などの価値が薄れ、ここでも建築に適した針葉樹が代わりに植えられることになりました。この傾向は全国的に広がり、わずか15〜20年の間に現在の人工林の総面積約1000万haのうちの約400万haが造林されました。
その後、木材需要の増加にともない、木材輸入の自由化が段階的にスタートし、昭和39年に木材輸入は全面自由化となりました。その結果、「価格が安く」「一度にまとまった量を供給できる」輸入木材に押される形で、国産材の価格が下落しました。プラスチック・金属など木材に変わる素材の普及により、木材そのものへの需要も減少してしまい、現在では、森林の整備・伐採・搬出に必要な費用すら回収できず、「手をかければかけるほど赤字になる」ような状況になっています。収穫期を迎え、本来伐採されるべき木々がそのまま放置されており、昭和30年には9割以上であった木材の自給率が、今では2割まで落ち込み、人の手の入らない荒れた森が日本中で増えています。天然林の場合は伐採せずに守る必要がありますが、人工林の場合は定期的に伐採→植樹→育成→伐採のサイクルを行う必要があります。そのためには、国産材を積極的に利用し、需要を高め、資金を山に還元することが大切なのです。
日南町と森の歴史
「日野郡の歴史はたたらの歴史」と言われるほど、日野川流域にはたたらに関する数多くの歴史や言い伝えが残っています。たたら製鉄とは、日本古来の製鉄法のことです。アニメ映画「もののけ姫」にたたら場の様子が描かれていたのは記憶に新しいところです。鉄は刀や鉄砲などの武器だけでなく、鍬(くわ)や包丁などの生活道具や農具にも使われ、製鉄技術が進歩したおかげで人々の生活もぐっと向上しました。

日南町で生産されていた「印賀鋼」と呼ばれる和鉄は「日本一の鋼」と賞賛されるほど高い質を誇っていました。その印賀鋼で鍛えられた日本刀は文部大臣賞をはじめ全国有数の賞を受賞しており、大変高い評価を受けています。現在では、「幻の鋼」と呼ぶにふさわしい逸品で、印賀鋼と特定できるものは極めて少ないと言われています。たたら製鉄には、大量の木が必要でした。日南町の製鉄技術が発達したのも、豊かな森があったからこそだと言えます。日南町の人々と森はずっと昔から密接に結びついていたのです。

日南町には、日本神話に登場する「スサノオのヤマタノオロチ退治」で有名な「船通山」があります。ヤマタノオロチは巨大な龍神で、8つの頭と8本の尾を持ち、背中にはスギやヒノキ、コケが生い茂っていたとされています。ヤマタノオロチは退治は治水を表したもので、オロチの腹がただれているのは、たたらの「鉄穴流し」で川が濁った様子を表すという説があります。
この神話をなぞった「日南神楽」という舞が日南町にはあります。神楽とジャズのコラボに挑戦するなど、新しい形を受け入れながら、森を畏敬する心は現代の日南町に脈々と受け継がれています。
日南町の環境への取り組み
日南町の面積の9割は森林です。古くから森と共に生きてきた日南町は、森林保全の取り組みを積極的に行っています。
2009年10月23日、日南町は、日本通運(本社・東京都)と鳥取県とともに「とっとり共生の森」に関する森林保全・管理協定に調印しました。「とっとり共生の森」は、企業やNPOなどの森林保全に向けた環境貢献活動を、鳥取県と市町村が支援する制度のことです。これを受け、2009年11月、「日通の森」で、日本通運の社員とその家族総勢30名超のみなさんが、「ヒノキ人工林の枝打ち」「シイタケ植菌」「天然林の除伐」「遊歩道の整備」などはじめての森林保全活動を実施しました。
また、日南町の森林所有者が中心となって設立された株式会社オロチは、構造材「単板積層材LVL」を開発しました。合板を作る過程で木材をかつらむきにし、繊維方向を揃えて接着する手法で、今まで使えず廃材になっていた部分が利用できる画期的な技術です。製造の過程では石油の代わりに工場から出る木質燃料を使用するなど、環境に配慮した取り組みが行われています。

【FSC森林管理認証の取得】

FSC認証看板日南町では平成22年3月に、日南町有林、入澤林業、秋田木材の3社でFSC認証のFM認証(森林管理認証)を取得しました。(FSCC057367/認証番号:SA-FM/COC-002427

FSCとは、森林の管理や伐採が、環境や地域社会に配慮して行われているかどうかを、信頼できるシステムで評価し、それが行われている森林を認証する制度です。

平成25年度には、日南町森林組合が管理する民間林も認証を受ける予定にしており、町内ほぼ全域の認証林を目指しています。

関連情報
日南町は、林業への就労を考えている方への支援を行っています。

2010年11月12日---


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